読書記録と雑感

読んだ本とか思ったこととかの記録用

ちょっと大人になる

ユーミンの「春よ、来い」はあまり春っぽい歌ではないよな、と思っていたけれど、「春よ、まだ見ぬ春」とかうたってるから春にうたう歌というわけではないのかもしれない。でも春になると、いつもなんとなく頭の中でうたってしまう。

母は若い頃に八王子の荒井呉服店で着物と着物を着るための道具一式を揃えたので、私の卒業式の準備をしているときは荒井呉服店の袋をたくさん開けた。荒井呉服店、ユーミンの実家である。

 

春は記憶が忙しい季節だ。寒くて息をひそめてた木や土が、温度が上がってくるにつれてにおいたつようになり、花も咲いて、玄関を開けると空気の色が違って見える。(においに色が見えるというのはたのしいですよ。)

 

本当なのか俗説なのかはわからないが、嗅覚と記憶は脳の近いところで機能しているらしく、だからにおいには記憶が宿りやすいらしい。春になると私はいつも、小さい頃のことを思い出す。

 

2年前に建て替えるまで、我が家の庭はもっと狭かった。だけれど、幾種類かのばらや、ハーブ、あとはなんかよくわからない植物とか、いろいろと植わっていて、休日になると両親はせっせと世話をしていた。

小学校低学年くらいの私もその横にしゃがみ込んで、オオイヌノフグリヒメオドリコソウをせっせと摘んで花束にしたり、アリの巣をじっと観察したりしていた。

 

いま、春のにおいをかいで思い出すのはそのときに見ていた景色で、地面から数十cmのしゃがみこんだ私から見える世界だ。

思い返してみれば、いまの私なんかよりこの頃の私のほうが世の中のいろんなことに詳しかった。花の名前とか、虫の捕まえ方とか、あの頃知っていたけど、いまもう忘れてしまったな、ということはいっぱいある。

 

今日は寒い。季節をとかす雨なのだろうか。