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読書記録と雑感

読んだ本とか思ったこととかの記録用

Paul Dragos Aligica "Prediction, explanation, and the epistemology of future studies"

Future studiesってなんじゃらほいと思ってたけどなんか特定の分野をさすっぽい。

Futures studies - Wikipedia, the free encyclopedia

H. G. ウェルズが始めたところから考えるとなんとなく想像しやすいが、主に社会科学的な視点からの未来予測に関する学問らしい。Futurologyともいう。

 

この論文は理論の予測能力と説明能力を説明しつつ、その能力の認識論的な限界を示すみたいなかんじだったと思う。(自分の気持ちに正直に書いているので正直な文体になってしまう)

まず、被覆法則モデルの点から説明と予測がそれぞれ同じ論理的構造をもった対称的なものだとする。しかし、そこでもちろん、説明と予測が非対称になる理論の例をだしてくる。例えば、地震の発生に関する地質学的な説明や新種の生物の発生についての進化の説明などなど、これらは予測とは対称ではない。あとはハンソンとかは量子力学が本質的に非決定的な理論だからヘンぺルのモデルにあてはまらないとか言ってる、せやな。

 

3章はちょっとよくわかんない。未来には不確かさが内在しているので、予測にはそういう困難がある。だから背景知識というものが予測には大きな役割を果たす。この背景知識という意味では統計的な情報というよりは過去の習慣や関わる人間についての言及がより役に立つ。Future studiesだからこそそういう部分が大きいという理解でいいのかしらむ...?

 

そういう不確かさとかを鑑みていくと、被覆法則モデルは科学的説明にも予測にも完全に合致するわけではない。明確で形式化された知識というのだけが説明や予測に寄与するわけではなく、混み入った背景知識が重要になるからだ。そしてそういう背景知識は把握することが認識論的に難しい。特に説明に関しては説明項と被説明項の関連性の問題とかも出てくるし、うまいモデルではない。ただし予測形成に関しては被覆法則モデルは十分条件になるとされている。

 

というかんじの内容だった。(たぶん)

 

これはFuture studiesに関することだからこういう結論になるのかな、と思う。私はこの論文を読んで、むしろ被覆法則モデルは説明にとって必要条件であるが十分条件ではないんじゃないかと思った。必要十分条件じゃないのは十分条件だと関連性の問題とか旗竿問題を引き連れてきてしまうからだ。被覆法則モデルが必要条件だとすると説明の失敗は説明項の不足と考えられる。ここで、予測が説明と同じ構造をもつことを言うこともできると思う。予測は被覆法則モデルでなされ、でも未来の出来事に関して説明項が出揃うことはないので予測は常に不確かになる、みたいな。

 

 ちゃんと読めてるかかなり微妙なので院試終わったら読み直そう……